電線が長いほど抵抗は大きく、太いほど小さくなります。R = ρL/A という 1 つの式に、比例と反比例が同居しています。
比例と反比例
一方が 2 倍になるともう一方も 2 倍になるのが比例、一方が 2 倍になるともう一方が 1/2 になるのが反比例です。電線の抵抗は R = ρ × L / A で、L(長さ)には比例し、A(断面積)には反比例します。水道のホースに例えると、長いホースほど水は流れにくく、太いホースほど流れやすい、という感覚と一致します。
試験ではこう出る
「長さを 2 倍、断面積を 2 倍にしたとき抵抗は何倍か」という比の問題が定番です。材質と温度が同じなら、式に数値を入れなくても比例と反比例の組み合わせだけで答えが出ます。長さ 2 倍で 2 倍、断面積 2 倍で 1/2 倍、合わせて 2 × 1/2 = 1 倍、つまり変わりません。ρ(抵抗率)は材料と温度で決まり、同じ材料・同じ温度なら一定です。銅は 20℃ で約 1.72×10⁻⁸ Ω·m、アルミはその約 1.6 倍です。
計算してみよう
同じ材質・同じ長さ・同じ温度で、直径 1.6mm の電線を直径 3.2mm に替えると、抵抗は何倍になるか。 直径が 2 倍なら断面積は 2² = 4 倍。抵抗は断面積に反比例するので 1/4 倍です。 同じ電線で長さだけを 100m から 150m に伸ばすと。 抵抗は長さに比例するので 1.5 倍になります。
つまずきポイント
直径と断面積を取り違えるのが最大の落とし穴です。直径が 2 倍なら断面積は 4 倍で、抵抗は 1/2 ではなく 1/4 になります。もう 1 つ、抵抗率 ρ は材料の性質なので、太さや長さを変えても変わりません。式のどの文字が定数なのかを意識すると、比の問題で迷わなくなります。
もう一歩:許容電流とのつながり
太い電線ほど抵抗が小さいということは、同じ電流でも発熱(I²R)が小さいということです。だから太い電線ほど許容電流が大きくなります。たとえば IV 電線をがいし引き配線で用い、周囲温度 30℃ 以下のときの許容電流は、直径 1.6mm で 27A、2.0mm で 35A、2.6mm で 48A です。ただしこの値は配線方法や電線の種類で変わり、金属管内に複数本を収める場合は電流減少係数を掛けて減らします。VVF ケーブルにも別の値が定められているので、表を引くときは条件まで確認してください。