√3 ≒ 1.73 は三相交流で必ず出てきます。値を覚えるだけでなく「どの結線で、どの量が √3 倍になるのか」まで押さえると、計算問題で迷わなくなります。
√(ルート)とは
√ は「2 乗するとその数になる 0 以上の値」です。√4 = 2、√9 = 3、√16 = 4。試験でよく使う近似値は √2 ≒ 1.414、√3 ≒ 1.732 の 2 つです。語呂は √2 が「ひとよひとよ(1.4142)」、√3 が「ひとなみにおごれや(1.7320)」。問題文に使う値の指定があるときは、そちらを優先してください。
三相交流で √3 が出る場所
ここが最も間違えやすいところです。以下は平衡した正弦波三相交流が前提で、電圧・電流は実効値です。√3 倍になる量は結線によって変わります。 Y(スター)結線では、線間電圧 = 相電圧 × √3、線電流 = 相電流。 Δ(デルタ)結線では、線間電圧 = 相電圧、線電流 = 相電流 × √3。 つまり「Y は電圧が √3 倍、Δ は電流が √3 倍」。三相の電力は P = √3 × 線間電圧 × 線電流 × cosθ で、どちらの結線でも同じ式が使えます。
計算してみよう
線間電圧 200V を平衡 Y 結線の負荷に加えたとき、負荷 1 相にかかる電圧は。 200 ÷ √3 ≒ 115.5V。√3 を 1.73 として計算すると 200 ÷ 1.73 ≒ 115.6V で、丸め方の差です。 逆に相電圧 115.5V から線間電圧を出すときは 115.5 × 1.73 ≒ 200V。√3 を掛ける向きと割る向きの両方を使えるようにしておきます。
つまずきポイント
「三相はとにかく √3 倍」と覚えると、Δ 結線の問題で電圧まで √3 倍にしてしまいます。問題文や図記号で結線を確かめてください。結線が必要になるのは相電圧や相電流を問われたときだけでなく、各相の抵抗から線電流や全体の電力を求めるときも同じです。なお、三相 200V と書いてあっても結線は一通りに決まりません(V 結線などもあります)。線間電圧と相電圧のどちらを指しているかを読み取ることが先決です。
もう一歩:√3 を使う三相電力
平衡三相負荷の電力は P = √3 × V × I × cosθ(V は線間電圧、I は線電流、いずれも実効値、θ は相電圧と相電流の位相差)。線間電圧 200V、線電流 10A、力率 0.8 なら P = 1.73 × 200 × 10 × 0.8 ≒ 2,768W(√3 を丸めずに計算すると約 2,771W)。この式は Y・Δ のどちらでも共通です。