VVF は住宅の屋内配線でいちばん多く使われるケーブルです。学科では名称・構造・許容電流が、技能では実際の加工が問われます。許容電流は数値の丸暗記より、求め方を押さえるほうが確実です。
VVF とは
正式名称は 600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形。銅の心線をビニルで絶縁し、さらに外側をビニルのシース(外装)で覆った平たいケーブルです。住宅でよく使う心線は直径 1.6mm と 2.0mm の単線で、2 心は黒・白、3 心は黒・白・赤の組み合わせが一般的です。断面が丸い VVR(丸形)は、同じ絶縁・シースで形だけが違います。絶縁体の最高許容温度は 60℃ です。
許容電流の求め方
試験では、絶縁電線の許容電流に、問題文で示される電流減少係数を掛けて求める形で出題されます。周囲温度 30℃ 以下での絶縁電線(単線)の許容電流は 1.6mm で 27A、2.0mm で 35A、2.6mm で 48A。たとえば「直径 2.0mm、3 心、電流減少係数 0.70」なら 35 × 0.70 = 24.5。小数点以下 1 位を七捨八入して 24A です。1.6mm なら 27 × 0.70 = 18.9 で 19A。係数や条件が問題文に示されていれば、その値を使います。示されない問題もあるので、3 本以下で 0.70 という値は覚えておいてください。
試験ではこう出る
名称と記号の対応(VVF・VVR・IV・HIV・EM-EEF など)、絶縁物の最高許容温度、許容電流の計算、分岐回路で使える太さが主な出題です。たとえば 20A の配線用遮断器で保護する分岐回路には直径 1.6mm 以上、30A なら 2.6mm 以上の電線を使います。技能試験では VVF の外装と絶縁被覆のはぎ取り、接続、器具への結線がそのまま課題になります。
つまずきポイント
27A や 35A は絶縁電線そのものの値で、VVF の許容電流ではありません。係数を掛け忘れると、流せる電流を大きく見積もってしまいます。一方で、実際のケーブルの許容電流は心数・布設のしかた・周囲温度で変わり、メーカーの表は条件が違えば別の値になります。試験では問題文の条件、実務では該当する表を確かめる、と分けて考えてください。よく似た EM-EEF(エコケーブル)は絶縁体がポリエチレンで、最高許容温度は 75℃ です。
もう一歩:太さの使い分け
住宅では、照明や一般のコンセント回路に 1.6mm、エアコンや電子レンジなど電流の大きい専用回路や、分電盤から遠い回路に 2.0mm を使うのが一般的です。太いほど抵抗が小さく、電圧降下も発熱も小さくなります。ただし器具の端子に入る太さには限りがあるので、何でも太くすればよいわけではありません。