電線に流せる電流の上限が許容電流です。太さごとの値と、電線管に収めたときの減らし方、そして遮断器との組み合わせ。この 3 つがそろえば、配線設計の問題はほぼ解けます。
許容電流とは
電線に電流を流すと、抵抗によって発熱します。絶縁物が傷まない温度に収まる電流の上限が許容電流です。太い電線ほど抵抗が小さく発熱も少ないので、許容電流は大きくなります。周囲の温度が高い場所や、熱がこもる敷設のしかたでは、同じ電線でも流せる電流は小さくなります。
太さごとの値
600V ビニル絶縁電線(IV)など、銅導体で絶縁物の最高許容温度が 60℃ の絶縁電線の許容電流は、周囲温度 30℃ 以下で、単線は直径 1.6mm が 27A、2.0mm が 35A、2.6mm が 48A。より線は断面積 2mm² が 27A、3.5mm² が 37A、5.5mm² が 49A、8mm² が 61A です。電線管などに収める前の値で、ケーブルや耐熱電線にそのまま当てはめることはできません。単線は直径、より線は断面積で表すので、2.0mm の単線と 2mm² のより線は別の電線です。
電線管に収めるとき
電線管に複数の電線を収めると熱が逃げにくくなるので、電流減少係数を掛けて許容電流を減らします。同じ管に収める電線が 3 本以下なら 0.70、4 本なら 0.63、5〜6 本なら 0.56。本数には、中性線や接地線、制御回路用の電線は数えません。直径 1.6mm を 3 本収めるなら 27 × 0.70 = 18.9 で、小数点以下 1 位を七捨八入して 19A。2.0mm を 4 本なら 35 × 0.63 = 22.05 で 22A です。
遮断器との組み合わせ
分岐回路では、過電流遮断器の定格に応じて電線の太さが決まっています。一般的な銅の配線での原則は次のとおりです。15A と、配線用遮断器 20A の分岐回路は直径 1.6mm 以上。ヒューズ 20A は 2.0mm 以上。30A は 2.6mm(より線なら 5.5mm²)以上、40A は 8mm² 以上。遮断器が動作する前に電線が過熱しないようにするための決まりです。
つまずきポイント
単線の直径とより線の断面積を同じ数字だと思い込む誤りがあります。直径 2.0mm の単線の断面積は約 3.14mm² で、2mm² でも 3.5mm² でもありません。また、係数を掛けたあとの端数は四捨五入ではなく七捨八入で処理するのが試験での扱いです。電流減少係数は、問題文に示されていればその値を使います。示されない問題もあるので、0.70・0.63・0.56 は覚えておいてください。