電気理論・計算

電圧降下の計算|単相2線式・単相3線式の公式と使い方

📅 公開: 2026/03/25✅ 第一種電気工事士 監修

電線が長くなるほど、負荷に届く電圧は下がります。この下がり分が電圧降下です。配電方式ごとに式の係数が違うので、係数の意味から押さえると忘れません。

電圧降下とは

電線には小さな抵抗があり、電流が流れるとオームの法則どおりに電圧が下がります。電線 1 本の抵抗を r、電流を I とすると、1 本あたりの電圧降下は I × r。負荷にかかる電圧は、電源電圧から、配電方式に応じて求めた電圧降下 v を引いたものになります。以下の式は、負荷が抵抗で、電線のリアクタンスを無視できる場合のものです。

配電方式ごとの式

単相 2 線式は、行きと帰りの 2 本に同じ電流が流れるので v = 2Ir。単相 3 線式は、両側の負荷が平衡していれば中性線に電流が流れないので、電圧線と中性線の間で v = Ir。三相 3 線式は、負荷が平衡しているとき線間で v = √3Ir(I は線電流)。どの式も r は電線 1 本ぶんの抵抗です。係数の 2・1・√3 の違いが、そのまま出題のねらいになります。

計算してみよう

単相 2 線式で、電線 1 本の抵抗が 0.05Ω、負荷電流が 20A のときの電圧降下は。 v = 2 × 20 × 0.05 = 2V。電源が 105V なら、負荷にかかる電圧は 103V です。 途中に負荷が 2 つあり、電源から 1 つ目までに 20A、1 つ目から 2 つ目までに 10A が流れ、各区間の電線 1 本の抵抗が 0.1Ω のとき、2 つ目までの電圧降下は。 区間ごとに計算して足します。2 × 20 × 0.1 + 2 × 10 × 0.1 = 4 + 2 = 6V。

どこまで許されるか

内線規程では、低圧配線の電圧降下は、幹線と分岐回路でそれぞれ標準電圧の 2% 以下とするのが原則です。電気使用場所内の変圧器から供給する場合は、幹線を 3% 以下とすることができます。電線が長くなる場合には、こう長に応じて、幹線と分岐回路を合わせた電圧降下として緩和する定めがあります。電圧降下を小さくするには、電線を太くする(抵抗を下げる)か、こう長を短くします。

つまずきポイント

単相 2 線式で往復ぶんの 2 を掛け忘れる誤りが最も多く見られます。逆に、r に往復ぶんの抵抗を入れたうえでさらに 2 倍する誤りもあります。負荷が複数ある問題では、区間ごとに流れる電流が違います。図に電流を書き込んでから、区間ごとに計算してください。